高気密・高断熱は暖かいという幻想

『高気密・高断熱』という言葉が付いている住宅にどんなイメージを持ちますか?

 

多くの方が、『暖かい』とか、『光熱費が安い』という感覚を持たれているかと思います。

 

特に、『暖かい』に関しては、家中どこも温度差がなく暖かいイメージですよね。

 

印象操作という言葉がピッタリなことが現実にたくさん起こっています。

 

そう感じた先日のこと。

 

 

 

住宅情報誌の営業さんとお話をしていた時のこと。その方は現在、住宅の建て替えを検討しているとのこと。

残念ながら他県にお住まいの為、オースタムの建築範囲外だったのですが、

「図面を見て、アドバイスが欲しい。」とのご相談をされて、図面を拝見させていただきました。

 

図面を見ると、とっても素敵な建物。

 

LDKもとっても広く、吹き抜けとリビング階段が。

吹き抜けは2階の大きなブックスペースまでつながっていて、

玄関から、シュークローク、ファミリークローク、そしてLDKまで一体の空間。

室内干し専用の個室もあります。

 

すごく使いやすそうで、動線も短くなりそう・・・・

 

 

『全館空調』であればですけど。

 

 

『高気密・高断熱』を謳っている建築会社はどの地域にも、ハウスメーカー、地域工務店問わず山ほどあります。

 

しかし、『全館空調』や、『全館冷暖房』といった言葉を標準的に使っている家は、ごく一握り。

 

もちろん、『高気密・高断熱』なら『全館冷暖房』なんて当たり前じゃないか!!として表示していない、

意識の高い建築会社もあるとは思います。

 

それでも多くは、『表示しない』のではなく、『表示できない』んです。

 

 

近年、住宅のプランはオープン化の一途をたどっています。

上で相談を受けたプランも、水回りと個室以外はほぼオープンな間取り。

 

エアコンの設置場所はリビングに、これがQ値が1.0を超えるレベルの建物であれば、自然対流で全館暖房可能ですが、お聞きした断熱仕様では不可能かと・・・

 

生活をイメージすると、暖気は2階に上がってしまい、1階の足元は寒くなり、動線を短くしようと作ったファミリークロークも、着替えを取るだけで、エアコンのあるリビングまで持って来ないと着替えられない、そのあとパジャマはどこへやら・・・

 

エアコンで暖房をする場合、風の流れ(気流)による対流で建物を暖めます。

半端な『高気密・高断熱』だと、気流が届かない場所まで暖めることができません。

軽くなった暖気も上に昇りっぱなしになります。

 

空気が家の中全体に行きわたる『仕組み』が必要です。

 

結果、『全館空調』、『全館冷暖房』になるんです。

 

現在、『高気密・高断熱』を掲げるのは超カンタン。

ここからが高気密という基準がないので言ったもん勝ちです。

 

だから、いまどき『高気密・高断熱』と書いてあるだけでは、『暖かい』家と判断できなくなりつつあります。

 

 

『高気密・高断熱』の家が欲しいのではなく、本当は『いつ、どの部屋に行っても』『暖かく』『涼しく』暮らせる家が欲しいんですよね。

 

『高気密・高断熱』という言葉は付いていて当たり前、

『全館空調』『全館冷暖房』で

『想定室温が何℃』で、

『光熱費のシュミレーション』ができる位でないと、

 

温度差のない暖かい暮らしに辿り付きません。

 

安易な『高気密・高断熱』にお気を付けくださいね。

 

 

ちなみに余談ですが、

半端な気密・断熱で屋内に物干し部屋を作ると、結露 → カビカビ との戦いになります。

また、物干し部屋の空気循環を考えておかないと、空気が動かなくなり、洗濯物にニオイが・・・

となりますので、注意が必要です。

 

『空気循環』・『湿度調整』も家づくりには重要な要素です。

 

 

 

 

hiroyuki

1月19日(土)20日(日)「桜の平屋」断熱体感見学会(事前予約制)※受付を終了しました。

「永く住み続けるなら平屋がいい。」
 

誰が言ったか知りませんが、事実です。
 

何十年と暮らす家、変わっていくライフスタイル、重ねる年月。
 

大きすぎない、開放的な、全館空調の暮らし。
 

30代のご夫婦が、桜並木の望める敷地に建てる平屋。


 

全館空調で夏も冬も適温。
 

暑かったり、寒かったり、花粉が飛んでいるベランダに洗濯物を干さなくていい暮らし。
 

ママの負担を小さく、その分、家族で過ごせる時間と空間を。


 

建築途中ではありますが、気密断熱施工が完了いたしましたので、

体感見学会を開催させていただく事となりました。

当日は、エアコン1台での全館暖房が体感できます。
 
ご家族そろってお越しくださいませ。


 


 

☆★☆「桜の平屋」断熱体感見学会 (事前予約制) ☆★☆
 

日にち:平成31年 1月 19日(土)・ 20日(日)
 

時間:各日とも 10時〜16時
※本見学会は、事前予約制です。
 ご予約なくお越しいただいた場合、ご見学頂けない場合がございます。
 

 ご予約はコチラから

 

場所:栃木県真岡市中郷 (真岡鉄道 北真岡駅 北東)



 

 

hiroyuki

複合サッシでも結露が出ない理由。

今年ももうすぐ終わりですね。冬の寒さも徐々に本格的になってきました。

 

もうほとんどの方が暖房のスイッチをONにしているかと思います。

 

さて、昨年「アルミ樹脂、大丈夫?」というブログを書きました。

5年前に建てた私の自宅で樹脂アルミ複合サッシに結露が起こっている状態をレポートしたものです。

 

残念ながら、もちろん今年も結露しています。

 

 

見学会などでこのお話をすると、

 

「樹脂アルミだけど結露しないと言っている建築会社はたくさんある。」

 

とおっしゃる方がいらっしゃいます。

 

その通りです。樹脂アルミ複合サッシでも結露しないカンタンな方法、あります。

 

 

 

さて、結露する家としない家、何が違うのでしょうか。

 

今年の窓際を見てみましょう。

 

 

外気温 ‐2℃

室温 23℃

室温(窓際)21.9℃

 

 

上の写真の温度計の上部表示を見ると、『51%』とあります。

『湿度』です。

 

もう、おわかりですね。

 

違いは、『湿度』です。

 

 

同じ窓性能だったとしても、

湿度が低い家は、結露が出にくいし、湿度が高い家は結露が出やすくなります。


 

例えば、上の写真の状態、

室温 21.9° 湿度 51% の時、サッシの表面温度が 11.3°を下回ると結露が起こります。

 

それが

室温 21.9℃ 湿度 30% となると 結露が起こる表面温度は・・・ 3.6℃!!

 

樹脂アルミ複合サッシでもカンタンに結露しなくする方法、それは乾燥させること。

良いか悪いかは別として。

 

 

冬に湿度が高いことが悪いのでしょうか?

もちろんそんなことはありません。

冬の快適性を高めるには、温度だけじゃあダメ、しっかり保湿が必要ですよね。

 

だから、湿度が高くても結露しにくいように、

今では宇都宮でも標準的に『トリプルガラス樹脂サッシ』を使います。

 

温度だけでなく、湿度までも考慮した住宅設計をすると、そうするしかないのです。

トリプルガラスの樹脂サッシも当時から比べれば、格安になりました。

これから家づくりするご家族には必須アイテムです。

 

 

まずは、当たり前に使っている建築会社をさがしてください。

ココチヨイ暮らしをするためのポイントのひとつです。

 

 

家を保湿するポイントについては、また別の機会に。

 

 

hiroyuki

 

工務店との家づくりが合わない人もいる。

工務店がブログなんぞを書いていると、つい工務店の家づくりが誰にとっても最良のような文章を書いてしまうのですが、

実際には工務店と一緒に家づくりする事が『合う人』、『合わない人』がいます。
 

 


 

 

 

工務店、特に小規模な工務店との家づくりは、意外と大変です。

 

 

 

まずは、『時間がかかります』。
 

 

選べるものも多く、時にはお客様が見つけてきた写真から、それに近い材料を探しだす、なんてことも。
自由に決められる分、考えたり、迷ったり、変えてみたけれど、また元にもどったり、家族の暮らしを描きながら悩むことができます。また、それにちゃんと付き合ってくれるところが多いので、納得がいくまで時間をかけられるんです。

 
『キャラクターが濃い』です。
 
小規模な工務店の経営者さんは、良し悪しにかかわらず、キャラクターが濃いことが多いです。
口下手な方もいますし、一国な方もいます。話をしていてフィーリングが合う、合わないがはっきりするかもしれません。
特に事前に大手ハウスメーカーの営業さんと話をしていると、そのシュッとしたイメージ、そつのない対応とのギャップは大きいです。
しかし、キャラが濃い分、住まい手への思いも濃いので、永いお付き合いをしていくのに安心です。

 
『得意分野の見極め』が必要です。
 
小規模な工務店の場合、得意分野がはっきりしている事が多いです。
とにかく沢山、数をつくる建築会社ではないので、一棟一棟に対しての思い入れが強いです。前述したようにキャラの強い経営者が造るので、こだわりもあります。そのため、どこでも建てられる中庸な家というものではなく、こんな暮らしをしてほしいという一貫したメッセージが込められています。「工務店のこだわり」と「あなたのこだわり」がうまくマッチングしていないと、打合せもうまく進みませんし、徒労に終わることもあるかもしれません。
逆に、ピッタリはまると、非常に楽しい打合せ、そして新しい暮らしは素晴らしいものになる事でしょう。

 

ということで、『打合せが面倒』で、『あと腐れない関係』が理想で、『家にこだわりがない』という方は、小規模な工務店との家づくりは、非常に面倒で苦痛になります。逆に、分譲住宅やハウスメーカーなどは売買だけ、打合せの回数が決まっていたり、決まっているモノから選ぶだけだったりと、打合せもとてもスムーズ。カンタンで楽ちんな家づくりができます。
 

 

『じっくり』、『末長いお付き合い』を見据えた、『こだわり』の家づくりを考えているご家族だけが、工務店とヒザを突き合わせて、じっくり悩む大変さを知ることができるんです。
 

 

どちらを求めるかは、価値観ですが、これから一生暮らす住まいと考えたら・・・




hiroyuki

 

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