「リスクヘッジ」とは株式用語で損失リスクを回避する事を云います。
今日、5年点検でお伺いしたA邸で雑談をしているときに、何度か会話に上がった単語です。
別に株の話をしていた訳ではなく、A様が快適に暮らしていらっしゃることと、オースタムの家づくりの話が中心でした。
住宅と関わるリスクヘッジ、どこで絡んだかというと、
『住宅ローン』と『エネルギーコスト』について。
住宅ローンは、皆さんもご存じのとおり、現在非常に金利が安くなっています。
このタイミングで借り入れをされる方は、とにかく安い金利で借りる為に、変動金利を選ぶ方もいれば、
現在、底の金利だからこそ、すこし金利が高くとも、金利上昇に備えて長期固定金利を選択する方もいます。
同じく、既に住宅ローンの返済が始まっている方も、借り換えという方法があるので、上記の選択肢が常に付きまとう訳です。
変動金利で借り入れをした方が、ここまで金利下降の恩恵を受けて、さて、このまま金利はさらに下がるのか、横ばいなのか、それとも上昇する可能性があるか、それによって、今のまま変動にするか、思い切って長期固定を選ぶか選択するタイミングかもしれません。
トランプ大統領政権の誕生、イギリスのEU離脱など、景気に作用する大事が世界で続く中、日本では東京オリンピックも控えています。景気が良くなると考えるなら、金利上昇へのリスクヘッジとしての借り換えもアリです。もちろん絶対に景気が良くなるとも、悪くなるとも誰も教えてくれませんので、自身で判断する必要があります。
ただ、エネルギーコストについては、完全に上昇傾向と言ってもいいでしょう。
化石燃料は埋蔵量が決まっているし、東日本大震災以降、原発が停止していることにより、火力発電での発電が増加。
もちろん自然エネルギーでの発電も増えていますが、多くは火力、つまりは原油に依存している状態です。
ここ1年位は、中東の国々が原油出荷調整できなかったおかげで石油がだぶついて、原油価格がかなり安く抑えられていました。
それほど電気料金アップした感が無かったかもしれませんが、原産が決まったため、今後原油価格は上がる(元に戻る)可能性が見えてきました。
東京電力から毎月来ているお知らせを良く見てみると、「燃料調整費」という項目があるのを知っていますか。原油価格に連動して毎月数百円から千数百円余計に支払っているんです。
さらには、再生可能エネルギー発電促進賦課金という形で太陽光発電設置者が発電した電気を買う為の費用も毎月支払っています。数年前は数百円でしたが、コチラもこの頃千円を超えていることがあります。
これらのエネルギーコストの上昇に対処するためには、いくつか方法があります。つまりリスクヘッジですね。
ひとつは、エネルギー効率の良い住宅に住むことです。
冷房や暖房効率のいい家、気密断熱性能の高い家にすることで、将来的な冷暖房コストを削減できます。
さらには、この方法は快適性が上がるので住まい手の暮らしが豊かになる事は言うまでもありません。
もうひとつは単純に太陽光発電を設置する事。自分で使う電気を自分で作る訳ですから、価格上昇へのストレートな対処となります。ただし、設置するにも費用が掛かるのですから、一時的にはエネルギーの前払い感があります。しかしイニシャルコスト回収後も発電し続けると考えれば、とてもメリットが大きい方法です。
家づくりにあたって、もちろんカッコよさや、大きさ、設備なども重要ですが、これから何十年と暮らす住まいです。
先々を見据えたポイントに注目することも大事だとは思いませんか。
hiroyuki