栃木県宇都宮市の株式会社オースタム

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断熱材にこだわる理由。

  • author: oustam
  • 2016.06.19 Sunday

先日、ゼロエネルギー住宅の説明をしていてお客様に聞かれました。

「なぜ高価な断熱材を使うの?グラスウールを使ってもゼロエネルギー住宅作れるじゃない?」

よくご存知です。その通り。グラスウールや100倍発泡の断熱材でもゼロエネルギー住宅にすることは可能です。

価格重視でグラスウールやロックウール、自然素材を謳う羊毛などいろいろな断熱材がある中で、オースタムは現場発泡ウレタン、その中でも独立気泡系という、他に比べ比較的高価な断熱材を使用しています。

 

ではなぜオースタムは、ほとんどの住宅会社が使用しない独立気泡の発泡ウレタン「エアクララ」を使うのか。

 

お答えするためには、「断熱材とは?」という話をしなければなりません。断熱材を壁の中に入れる理由は、外からの暑さ、寒さを家の中に伝えないためです。では、断熱材はどのようにして熱を伝えないか。基本は「乾燥した空気を制止させる」事により熱を伝えにくい状態を作り出します。

 

断熱材がカタログの性能値を出せるのは、断熱材の中の空気が「乾燥」していなければなりません。水分はより熱を伝えやすいので、壁の中に湿気がある状態では、性能値は意味をなさなくなります。そのため、グラスウールをはじめとする繊維系の断熱材は透湿シートなどを張ることによって、湿気の流入を防ぐ方法をとるのが正しい施工です。しかし、そこが簡単ではありません。壁の中には筋交いが入っていたり、コンセントやスイッチ、照明器具、換気の開口などの穴がありますが、すべてに気密処理を行う細かな配慮と手間を必要とします。もちろんやらなくては、先々性能低下を起こしますし、壁内のカビや更なる結露、躯体の腐敗を招く原因となります。

また、繊維系断熱は柱間への入れ方も重要で、空間に対してピッタリと入れなければ、カタログの性能値は出ません。下の表は建築士の試験にも出てくるプロならだれでも知っている断熱材の基本です。

 

しっかりと施工した場合の熱貫流率(数字が小さい方が性能が良い)0.314です。両端がたわんだ状態で施工をすると、0.686と断熱性能は半分になってしまします。

以前、私が住宅省エネルギー技術者講習を受講した際に、まわりにいた年配の大工さんたちが「そんなことやってたら15人工は食っちまう!」と同調の声でガヤガヤする光景を目にしました。つまり、この大工さんは今までよりも15日間分の仕事が増えると言っているわけです。長い経験を持つ大工さんでも気密処理や柱間の良い入れ方を出来ていない方がこんなに多いと愕然としたものです。

「羊毛断熱は水をはじくから湿気対策はいりません。濡れても乾きます。」とメーカーさんに説明されたことがありますが、基本はグラスウールと同じです。含んでいる空気が乾燥していなければ断熱性能が落ちますし、壁の中にぎっしりと詰まって濡れた断熱材がはたして乾くのかと言えば・・・乾くほど通気してしまっては「空気を制止」できません。

 

続いて、発泡ウレタンについて考えてみましょう。

安価で、気密を取りやすそうに見えるので、近年多く使われている100倍発泡ウレタン(製品名は検索してみてください。)。しかし、実は100倍発泡断熱材は、水蒸気を通しやすい素材です。そのため、湿気逃がすためにメーカーの施工基準書にも透湿防水シートの施工を義務づけています。つまり、水蒸気が断熱材の中を通るという事は、繊維系断熱材同様、断熱性能が低下するという事です。

 

オースタムが使用する発泡ウレタン(エアクララ)と100倍発泡を比較してみると、なぜ

水蒸気を通しやすいものと、通しにくいものがあるのかわかります。

下の図、左がエアクララ、右が100倍発泡です。

独立気泡の発泡ウレタンは、成分と吹付方法により気泡の粒を独立させることが可能です。そのため、気泡内のエアが水蒸気の影響を受けないので、先々も断熱性能が変わりません。

逆に、100倍発泡品は、基材を高倍率でふくらませる為、気泡が連続してしまい、水蒸気の通り道ができてしまいます。結果、断熱性能に影響を受けやすいのです。

 

また、独立気泡の発泡ウレタンは、100倍発泡と違い、弾性と接着性に優れているので、地震、台風や、日常的な振動に対しても強く、施工当初の気密性を保持してくれる。

 

オースタムが独立気泡系の現場発泡ウレタン(エアクララ)にこだわる理由は、

  1. 住宅の形状やお客様の希望などに左右されず、均一に高性能な断熱を行えること。
  2. 将来においても、建築当初と変わらず高い断熱性能を担保できること。

 

ずっと快適な住まいであって欲しいからです。

 

ゼロエネルギー住宅をつくるためにこの断熱材を選んでいるのではなく、

この断熱材を選んでいるからこそ、機械に頼りすぎない快適・長持ちするゼロエネルギー住宅を創ることができると考えおすすめしています。

 

 

長文になってしましました。最後までお付き合いいただきありがとうございます。

今後もオースタムのこだわりについても、文章にしてみようと思っています。

ぜひ、お付き合いください。

 

 

hiroyuki

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