2019.06.13 Thursday
エコの行き過ぎに注意。
以前、住宅を新築した知人から相談を受けました。
幸いにも彼は、デザイン・住宅性能共にご自身の価値観に合った建築会社と出会い、住宅の断熱、気密性能にも満足する家づくりをされました。
彼「冬寒くて・・・」
私「???気密・断熱こだわったはずじゃ・・・」
相談を受けたのは彼の家が築5年くらいだったと記憶しています。
性能的にも必要十分、全館空調の設備が入っていると聞いていたはずなのです。
どういった状況なのか、聞いてみると、「朝方が寒い」のだという。
更に詳しく聞いてみると、家を建ててくれた建築会社の方針で、
冬に暖房がつく時間が、タイマー設定で決まっているのだという。
夕ご飯過ぎには暖房がOFFになるので、朝方には18℃くらいまで室温が下がってしまうとのこと。
私がアドバイスしたのは、
「暖房機をかける時間を延ばしなさい。」
それだけです。
こうして文章でみると、「当たり前でしょ?」と感じてしまうかもしれません。
しかし、「タイマー設定すればエコなので。」と言われてしまえば、それをやめたらエコじゃなくなってしまう気がするので、カンタンに見えて変更するには勇気が必要かもしれません。建築会社からすれば、よりエコに暮らしてほしいという考えからのご案内だったのですが、それがご家族を縛ってしまったようですね。
その後、彼はご家族と話し合って、24時間エアコンをつけっぱなしにする暮らし方に変更しました。
エアコンで温度設定してインバーター制御。設定温度になれば、止まってくれます。
もちろん、寒かった時期よりも電気使用量は少々上がりましたが、快適に暮らしています。
弊社の見学会に来られる方の中にも、こんな質問をされる方がいらっしゃいました。
「冬はこたつだけで暖房してるんだけど、全館空調の家なんて建てたら電気代上がらない?」
もちろん上がります。当然です。
環境負荷(エコ)や電気代を中心に考えるのであれば、極端な話、暖房も冷房も使わない事が最も良いのかもしれません。
それらを少しでも小さくしながら住環境をよくするために、気密・断熱性能を高めるのです。
梅雨を越えると、すぐに夏がやってきます。
熱帯夜を感じない睡眠は体調を整えてくれます。
疲れをしっかり取って、翌日の仕事や家事に向き合えることは、現代の暮らしにとって、とても重要なことです。
家の中で熱中症なんてもってのほか。
余談ですが、先日お引渡しさせて頂いたオーナーのT様。
アパート暮らしのときには、お子さんが寝相悪かったり、寝言を言ったりすることが多かったのに、
Tシャツの家に引っ越した当日から、完全熟睡して早起きになったとのこと。
あくまでも個人の感想レベルの話ですが、睡眠環境もとっても大事。
エコは大事なことです。現代人として常に意識するべき事のひとつであるのは間違いありません。
でも、そこに引っ張られすぎて、ご家族の暮らしや健康を害してしまっては元も子もありません。
無理をしないエコロジーと快適のバランスが大事です。。
hiroyuki