2019.06.06 Thursday
○○○万円で理想の暮らしが・・・???
ここ数か月で何度か目にしたキャッチコピー。
「●●●万円で理想の暮らしが!!」
広告は、新築のものだったり、リノベーション物件だったり、建築会社も違います。
ふと、思ったのは、「理想の暮らしとは何だろう?」という事。
ホームシアターがある暮らし?
ビルトインガレージのある暮らし?
友達をよんでホームパーティーができる暮らし?
はたまた、
防犯性の高く安心な暮らし?
光熱費が安い暮らし?
あたたかい・すずしい暮らし?
それとも、
自然を感じる暮らし?
手仕事で手間を惜しまない暮らし?
逆に、手間の掛からない暮らし?
「理想の暮らし」は家族の数だけあります。
家をつくる側からはカンタンには言えません。
では、家というものの、元々の性質を考えてみても、根本を突き詰めれば、人類が洞窟に暮らしているときから変わっていないのではないでしょうか。
「風雨から身を守り」、「暑さ寒さから身を守り」、「家族の暮らしの中心」となる場所ではないでしょうか。
現在の家においても、屋根や壁はあるので「風雨から身を守る」ことはできています。
「家族の暮らしの中心」であることも変わりありません。
ただ、「暑さ寒さから身を守れ」ているでしょうか。
過去にはないほどの猛暑の中、家の中で熱中症になったり、逆に布団の中で凍死してしまうような暮らしが、身近にあふれています。
昔は真夏でも、夜になったら窓を開けて換気すれば、涼しい夜風が入ってきました。
現代はどうでしょう。熱帯夜に窓を開けても熱風しか入ってきません。
今年も、5月だというのに猛暑のような日が続いています。
住む人が「涼しい・暖かい」と、はっきり言える家がどれだけあるでしょうか。
「すべてコミコミ●●●●万円!」と謳う住宅に何が入っていないか。
家の本来必要としている「暑さ寒さから身を守る」性能が欠けていることがほとんどです。
ホームシアターにしても、ガレージにしても、手間がかかる、かからないにしても、「身を守れて」その後の話ではないでしょうか。
ブログでも何度も書いていますが、「この家は暖かいですよ。」と言われて、多くの方が想像するのは、「どの部屋に行っても温度が変わらず、寒いと感じない」暮らしです。
つまり「暖かい家が欲しい。」と仰るご家族が本来想像しているのは、高気密高断熱住宅の中でも、全館空調と同義です。
にもかかわらず、多くの建築会社では「うちの建物は暖かいですよ。」と言いながらも、暖房のない部屋やトイレ、お風呂、ウォークインクローゼットが寒かったり、室温の想定が20℃以下だったり、現実に温度差がある暮らし。
「理想の暮らし」とは・・・
その建築会社の経営者さんの理想の暮らしが、そこに見えるという事ですよね。
まあ、このキャッチコピーを使っている建築会社の多くがローコストや分譲など、
表示価格優先の建築会社さんが多いというのは・・・
そういう事なんでしょう。
hiroyuki